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【Ep. 7】お悩み:もう40歳、シンガポールで転職する勇気が持てません

※この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切の関係がありません。

 

 

悩めるシンガポール在住者の前に、忽然と姿を表す場末のスナック、それが「夜間飛行」。

赤い布張りのソファに、古ぼけたミラーボール、そしてそれらを包み込む、懐かしい昭和の歌謡曲。

これは異世界? それとも幻?

時代に取り残されたようなその空間は今夜も、疲れた人々の心にそっと寄り添う……。

 

 

このシリーズの過去記事↓

 

 

 

 

「雪絵さん、今日もありがとうございました」

 

 

「とんでもない! こちらこそありがとうございました」

 

 

「雪絵さん、本当に日本語教えるの上手。私が昔通ってた語学学校の先生より上手ね」

 

 

「そんなわけないじゃない、ダニエルさん」

 

 

「本当だよ! 語学学習パートナーなのに、ちゃんとした先生みたい。私、雪絵さんのおかげで、ずいぶん上達しました」

 

 

「ありがとう……」

 

 

「じゃあ、また、来週ね。ありがとう、雪絵さん!」

 

 

毎週水曜日の夜に会うことにしているダニエルさんは、とても紳士的な60代のシンガポーリアンだ。

リタイアしていて、奥さんと二人暮らし。

私はいつも、二人暮らしの瀟洒なコンドミニアムにお邪魔して、1時間ほど語学の勉強をした後、帰宅する。

 

 

ダニエルさんの前は、キースさん。その前はシンディさん。

えっと、それから、その前は……と考えて、ふと切なくなった。

日本に入る頃から考えると、もう私は10年以上も、いろんな語学学習パートナーに日本語を教えてきている。

歴代のパートナーにはいつだって喜んでもらえてきた。そ

れもそのはず、だって私は、日本語教師の資格保持者なのだから。

 

 

私、いつまで、こんなことを続けるんだろう……。

 

 

 

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