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【Ep. 3】お悩み:100万円近く貢いだ彼女にフラれ、腹の虫がおさまりません

※この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切の関係がありません。

 

 

悩めるシンガポール在住者の前に、忽然と姿を表す場末のスナック、それが「夜間飛行」。

赤い布張りのソファに、古ぼけたミラーボール、そしてそれらを包み込む、懐かしい昭和の歌謡曲。

これは異世界? それとも幻?

時代に取り残されたようなその空間は今夜も、疲れた人々の心にそっと寄り添う……。

 

 

このシリーズの過去記事↓

 

 

 

 

「ねぇマーくん、私、好きなひとができちゃった」

 

 

携帯電話から聞こえてくるその声の主は、他ならぬ俺の恋人、ミカぴょんだ。

15歳年下の客室乗務員。

猛アタックという名のプレゼント攻撃の末、ようやく付き合えたのが2ヶ月前のことだから……いやちょっと、いくらなんでも、2ヶ月で破局って短すぎやしないか?!

 

 

「ミカぴょん、うそでしょ?!」

 

 

「ほんとだよ♡」

 

 

「ほんとだよって……ふ、ふざけないでよ!」

 

 

「マーくん、ごめんね。私もまさか、こんなに早く心変わりしちゃうと思ってなくて……」

 

 

こんなに人の神経を逆撫でする謝罪が、かつて存在しただろうか。

ミカぴょんの口調は確かにとても申し訳なさそうなのだが、どうもおちょくられている気がしてならない。

 

 

「俺、ミカぴょんが欲しいもの、なんでも買ってあげたよね? 最初のデートではお財布買ってあげたし、先月のお誕生日にはセリーヌのバッグを買ってあげたでしょ。先週だって、壊れたって言うから、マックブックまで買ってあげたじゃない! なんで……なんでこんなにしてあげてるのに、心変わりとかできるの?!」

 

 

「えー、でもマーくん、“ミカぴょんが喜んでくれるのが一番の幸せだよ”って言ってくれてたじゃん!」

 

 

「それはその、それなりのお付き合いがあって、のことでしょ?!」

 

 

ミカちゃんと出会ってから今まで、ざっと100万円分くらいはプレゼントしたりご馳走したりしているはずだ。

なのにこの2ヶ月でベッドを共にしたのなんて、ほんの5回ほど。1回あたりに換算すると……い、痛い! 費用対効果が悪すぎる!!

 

 

「やだ、マーくん……なんかがめつい……」

 

 

「がめついのはミカぴょんの方でしょ!」

 

 

「なんか前々から生理的に無理だと思ってたけど、やっぱり無理……」

 

 

「え、前々からって、もうそれ前提からしておかしいでしょ!」

 

 

「とにかく、マーくんにはもう会いたくないから」

 

 

あまりの仕打ちに、全身がわなわなと震えてくる。この……このクソ女……俺をコケにしやがって!!

 

 

「ふざけんなよ、このブス! 今どこだ? 家か? 今から俺があげたもの、全部返してもらいに行くからな!」

 

 

「ちょ、ちょっとマーくん、やだ怖いよ……」

 

 

「若いからって許されると思うなよ! 全部だぞ、全部! 耳揃えて用意しとけよっ!!」

 

 

 

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