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【Ep. 21】お悩み:シンガポール人の英語が聞き取れません

※この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切の関係がありません。

 

 

悩めるシンガポール在住者の前に、忽然と姿を表す場末のスナック、それが「夜間飛行」。

赤い布張りのソファに、古ぼけたミラーボール、そしてそれらを包み込む、懐かしい昭和の歌謡曲。

これは異世界? それとも幻?

時代に取り残されたようなその空間は今夜も、疲れた人々の心にそっと寄り添う……。

 

このシリーズの過去記事↓

 

 

 

 

「◎!*♭≧◆★▽@♯……」

 

 

俺の前でイライラと、同じセンテンスを繰り返すローカル社員。

すでに3回聞き返しているが、わからない。

全く、言葉が、聞き取れない!

 

 

困った俺は、近くの席にいる日本人社員に声をかけた。

 

 

「すみません、中国語かなんかで言われてると思うんですけど、俺わかんなくて……なんて言ってるんですかね?」

 

 

その社員は俺の方を一瞥すると、ため息をついてこう言った。

 

 

「ハァ? 英語でしょ。今日の夜までにその書類に必要事項を記入して、人事部とコンプライアンス部に送っておいてくれってさ。

山下君、英語できるんじゃないの?」

 

 

「すみません……」

 

 

「全く。……英語がちゃんとできる奴を採用してくれって頼んだのに、なんでこんな奴送り込んでくるかな……」

 

 

手元の資料には、細かい字で、難解な英文が並んでいる。

これは、読むだけで数時間はかかる代物だろう。

セブ島に半年間も留学して、すっかり英語が得意になった気でいたが、俺は初出社にしてすでに絶望感を感じていた。

 

 

俺、この会社で、これから一体、どうやって仕事をしていけばいいんだ……?

 

 

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