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【Ep. 2】ハーバーフロントで炎の非モテコミット脱出宣言

※この物語はフィクションです

 

シンガポールのコールセンターで働くリョータは、29歳。

 

30歳を目前にして、彼は焦っていた。

 

「彼女いない歴=年齢」も、20代ならまだ可愛げがある。しかし30代ともなるとさすがに悲壮感が漂う。

 

30歳になるまでに、なんとか彼女を作りたい。いや出来ることならむしろモテたい。モテてみたい。モテてモテて困ってみたい……!

 

そんなリョータが手にした一冊の本、それが藤沢数希著「ぼくは愛を証明しようと思う」だった。

 

この本に衝撃を受けた彼は、モテない人生にレボリューションを起こすべく、「ナンパ師」というまさかの方向へと舵を切る。

 
このシリーズの過去記事↓

 

 

 

自室の机の上に、MRT路線図を広げた。

 

シンガポール中に張り巡らされた色とりどりの路線図を、デスクライトが煌々と照らし出す。

 

 

 

今日はこの数ある路線の中からひとつ、最初に攻略する路線を決めなくてはならない。

 

 

俺は子供の頃から、几帳面な性格だった。

 

夏休みの計画は誰より綿密に立て、夏休み中はいかにその計画通りに過ごすかということに全力を注いだ。

 

アサガオの観察日記がつけられなくなるからという理由で、沖縄のおばあちゃん家に行くことを断念したことさえある。

 

そこまでして真面目に頑張ったのに、夏休み明けにクラス全員がアサガオの鉢を持ち寄ると、俺のアサガオが一番小さく、成長不良だった。

 

 

 

この手のエピソードには事欠かないのが、俺の人生である。

 

このナンパ道という獣道もやはり、計画性が大切だと思っていた。

 

 

 

なにせナンパである。今までの俺の人生からしてみると、月に行くより遠いと思っていた行為である。

 

相当な困難や逆境、思わぬ落とし穴が待ち受けているに違いない。

 

決して簡単ではないとわかっているからこそ、しっかりとした計画を立てたかった。

 

 

 

俺の作戦はこうだ。

 

まずは攻略したい路線をひとつに決め、その路線の端の駅から順番に攻めていく。

 

いつもナンパする駅を変えれば常に気持ちもフレッシュだし、沿線の駅をすべてコンプリートしたいという気持ちがモチベーションにもなってくれるだろう。

 

 

 

しかし、いざとなるとどの路線もそれなりに魅力的に思えてくる。

 

まるで色とりどりのドレスを着たナンパの女神たちが、路線図を通じて俺に微笑みかけてくるかのようだ。

 

俺は公正な判断を下すため、あみだくじ方式を採用することにした。

 

出た結果は、紫。他の路線の可愛い子ちゃん達には申し訳ないが、ここはノース・イースト・ラインから攻めていくことにしよう。

 

 

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