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【Ep. 15】ブアンコックに現存する最後のカンポンでおしゃれ少女と恋の予感?!

※この物語はフィクションです

シンガポールのコールセンターで働くリョータは、29歳。

30歳を目前にして、彼は焦っていた。

「彼女いない歴=年齢」も、20代ならまだ可愛げがある。

しかし30代ともなるとさすがに悲壮感が漂う。30歳になるまでに、なんとか彼女を作りたい。

いや出来ることならむしろモテたい。モテてみたい。モテてモテて困ってみたい……!

そんなリョータが手にした一冊の本、それが藤沢数希著「ぼくは愛を証明しようと思う」だった。

この本に衝撃を受けた彼は、モテない人生にレボリューションを起こすべく、「ナンパ師」としてデビューを果たす。

このシリーズの過去記事↓

ブアンコック駅を降りたら、行ってみたい場所があった。

シンガポール本島に唯一現存する最後のカンポンこと、カンポン・ロロン・ブアンコックだ。

カンポンとは、そう遠くない昔までほとんどのシンガポール国民が暮らしていた、

昔ながらの“村”のことである。

かつてのカンポンの住人たちは、すでにHDBに住み替えているが、ここブアンコックには、昔ながらのカンポンがひとつだけ残っていると聞いていた。

以前どこかで読んで、一度訪れてみたいと思っていたのだ。

駅からは少し遠かったが、歩いてみることにした。

典型的なHDBの横で、近所の人と思わしきシンガポーリアンとすれ違う度に、「この人も生まれはカンポンだったのだろうか」などと考える。

俺は発展しきったシンガポールの姿しか知らないが、きっとシンガポールの人たちがやたら親切なのは、カンポン・スピリットと呼ばれる助け合いの精神が、今も息づいているからなのだろう。

カンポン・ロロン・ブアンコックは、本当に「村」だった。

緑豊かな敷地内に、小ぶりでカラフルな家が立ち並んでいる様子は、見ているだけでほっこりしてしまう。

夕暮れ時のこの時間、多くの若い女性たちが、友人と連れ立って写真を撮りあっていた。

なるほど、このレトロな景色を求めて、シンガポール中のインスタグラマーが集まってきているらしい。

確かに、絵になる光景ばかりだった。

置き去りにされたようなブランコ。色とりどりのペンキが塗られた木造の壁。

無造作に置かれた植木鉢、優しい日陰を作る樹々……ああ、シンガポールとは、かつてこんなにのどかだったのか。

思わず俺もこの光景を残しておきたくなり、携帯のカメラを構えた、その時だった。

まるで雑誌の1ページに出てきそうな、LA風ファッションをばっちり着こなした美少女が、舗装されていない道の向こうからゆっくりと歩いてきたんだ。

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