世界のエリートが集まる街、シンガポール。
この街の日本人コミュニティのマジョリティを成すのもまた、エリートビジネスマン(とその家族)
である。
仕事も遊びも一流である彼らは、羨望と嫉妬の眼差しを浴びる言わば「特権階級」。
オシャレで高級な店などとうに行き尽くしている彼らが、なぜか最終的に行き着く場所……
それが、 気取らない店「喫茶&スナック 夜間飛行」のバータイムである。
シャツの第一ボタンを外して寛ぐ「シンガポールおじさん」達に、普段は絶対に語らない本音を、匿名でこっそりと教えていただいた。
【今回のシンガポールおじさん】
職業:アジア統括ディレクター
年齢:50代前半
海外歴:15年(うちシンガポール4年)
家族構成:妻(シンガポールで同居中)
「この店、いいよねぇ。全然気を使われない感じが落ち着くんだよ。
最初は会社のみんなと来てたけど、最近じゃもっぱら、一人で来ちゃってるもんな。 ……え?
今日は匿名でインタビューさせてほしいって?
フェイクも入れるから、まず知人にはバレないって?
いやぁ、本当キミたち、面白いこと考えるねぇ。いいよ。でも俺の話なんか、いい記事になるかなぁ?
浮気? してないよ。……シンガポールに来てからは、ね。
だって、妻だってシンガポールに暮らしてるんだから、噂になれば迷惑をかけるだろう。
不用意なことはしたくないよ。
昔の話になるけどさ。ちょっと前まで、かなり海外出張が多かったんだ。
一時期は日本にも毎月、最低一週間は入ってたし、他の国への出張も多かった。
最近はほとんど下の奴に任せてるから、相当なことがない限り行かなくなったけどね。
だから、シンガポール以外のそういうところでお食事とか……まあ、色んなこととかを。
ご一緒させていただいてた女性は、何人かいたよ。
出張の度に会ってた感じだね。
元々夜のお店で働いてた女性もいれば、いわゆる素人の女性もいる。