世界のエリートが集まる街、シンガポール。
この街の日本人コミュニティのマジョリティを成すのもまた、エリートビジネスマン(とその家族)である。
仕事も遊びも一流である彼らは、羨望と嫉妬の眼差しを浴びる言わば「特権階級」。
オシャレで高級な店などとうに行き尽くしている彼らが、なぜか最終的に行き着く場所……
それが、 気取らない店「喫茶&スナック 夜間飛行」のバータイムである。
シャツの第一ボタンを外して寛ぐ「シンガポールおじさん」達に、普段は絶対に語らない本音を、匿名でこっそりと教えていただいた。
このシリーズの過去記事↓
【今回のシンガポールおじさん】
職業:IT企業グローバル統括ディレクター
年齢:50代前半
海外歴:7年(うちシンガポール2年)
家族構成:妻、息子、娘 (妻のみシンガポール在住)
「お、卵かけご飯がメニューに加わったのか!
味噌汁と漬物のセットで8ドルとは、 破格だなぁ。
へえ、日本米を使ってるから、こんなにシンプルなメニューでもしっかり美味しいのか。
じゃあ、ひとついただくことにして……って、納豆もオプションでつけられるの?
うわぁ、これは嬉しい。
おう大ママ、しばらくぶり。まだこの店が潰れてなくて安心したよ、よく守りきった!
なぁんて、な。
そうそう、土産を買ってきたんだ。
こっちはアメリカ出張の土産で、それからこっちが、イギリス出張の土産。
あちこち飛び回ってたもんだから、最近ご無沙汰ですまなかったよ。
そんなに出張ばかりでつらくないのかって?
うーん、別につらいってほどじゃねーよ。
優秀な秘書さんたちが頑張ってアレンジしてくれるから、お任せしてるこっちなんか、楽なもんだ。
あ、時差?
そうだなぁ、南米あたりまで行く時は、さすがにちょっと堪えるかな。
若い頃は、飛行機に乗った瞬間から、現地時間に合わせて行動してたけど……最近はもう、寝たい時に寝ちゃうのが、一番体に優しいんじゃないかと思えてきたね。
とりあえず時間は気にせず、寝たい時に寝る。
で、現地に着いたら、夜まで誰かと一緒に飲んで騒いで、頑張って起きてる。
そんな風にしてれば、さほどキツくはないもんだよ。
出張はいつもビジネスクラスなのかって? ああ、それは……