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【12】おじさん、 後任者には何を引き継ぎますか?



※この記事は実際のインタビューを元にしたフィクションです。実在する人物・団体とは一切の関係がありません。

世界のエリートが集まる街、シンガポール。

この街の日本人コミュニティのマジョリティを成すのもまた、エリートビジネスマン(とその家族)である。

仕事も遊びも一流である彼らは、羨望と嫉妬の眼差しを浴びる言わば「特権階級」。

オシャレで高級な店などとうに行き尽くしている彼らが、なぜか最終的に行き着く場所……

それが、 気取らない店「喫茶&スナック 夜間飛行」のバータイムである。

シャツの第一ボタンを外して寛ぐ「シンガポールおじさん」達に、普段は絶対に語らない本音を、匿名でこっそりと教えていただいた。

このシリーズの過去記事↓

【今回のシンガポールおじさん】

職業:専門商社MD

年齢:40代後半

海外歴:11年(うちシンガポール7年)

家族構成:妻、息子2人 (シンガポール在住)

「最近、雨が多いね。へえ、貸し傘サービスを始めたんだ!

ロゴ入りのオリジナル傘を作っちゃうなんて、君たちも好きだねぇ。

でも、どうして売らずに無料で貸し出すの? ……そうか、次に来た時に返してねってことか。

なんだかいじらしいなぁ。

そして、なんともエコだね(笑)

え、折りたたんでしまえばロゴが見えなくなるデザインなの?

それなら家にも安心して持ち帰れるね。

帰りに雨が降っていたら、そいつを使わせてもらうよ。

こちら、俺の後任の高橋さん。

言っただろ?

3月で帰任が決まった、って。

まだ12月だけど、行きつけの店の引き継ぎは、なるべく早く済ませておいた方がいいからね。

今のうちに紹介しておけば、俺が帰る前にも何度か一緒に来れるから。

一時期は俺も、ボトルキープをしている店が20軒近くあったんだ。

でも、帰任が決まってからは、5軒くらいに絞られちゃったよ。

残り少ないシンガポール生活だから、本当に気に入ってる店でしか飲みたくないというか。もう飲みに出られる機会も限られてるからね。

その代わり、俺が本当に愛しているこの5軒は、しっかりと高橋さんにボトルを引き継いで帰ろうと思ってる。

夜間飛行でも、あともう数本はボトルを空ける予定だし、高橋さんもきっと通ってくれるだろうから、安心していいよ(笑)

それにしても……まさか高橋さんに、引き継ぎをすることになるなんてなぁ……。

なんか、感慨深いよ。

うちの会社、数千人は社員がいるから、顔も知らない人が大半なんだ。

でも高橋さんのことは俺、なんと新入社員だった頃からよく知ってるんだよ。

俺が入社したばっかりの頃、社員旅行で沖縄に行ったんだ。

高橋さんは当時、広島の支社にいたんだけど、同じグループで観光をすることになった。

それが出会い。

俺がまだ23とかで、高橋さんが27くらいの頃。

かっこよかったなぁ、高橋さん。

リモワのスーツケースを颯爽とひっさげて来てさ。

リゾートウエアの着こなしも決まってて、うわぁ、めちゃくちゃカッコイイ先輩がいる!

と思ったのを憶えてる。

で、話しかけてみたら、めちゃくちゃ気さくで優しくて。夜には高橋さんの部屋に押しかけて、何人かで飲んだんだけど、俺ってば高橋さんのベッドで大の字になって寝ちゃったんだよ。

その日は高橋さん、ソファに寝てくれたんだよな。ホントに昔から、優しい人だった。

え、そんな大好きな先輩に、引き継ぎをさせてもらう心境かい……?

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