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【Ep. 16】「1年の半分はシンガポール」を演出するネットワークビジネス“成功者”の場合

※この物語はフィクションです

 

我輩はマーライオンである。そっちじゃない、小さい方だ。

 

そう、観光客に大人気のあのでかいマーライオンの傍で、ショボく水を吐いている、ミニマーライオンである。

 

俺たちマーライオンには、それぞれシンガポールの守り神としての担当がある。

 

一番大きなセントーサのオジキは、シンガポール居住者担当。エースであるマーライオンパークのアニキは、観光客担当。

 

そして俺は、そのどちらにも属さない中途半端な人々、いわゆる『浮遊層』を担当している。

 

はっきり言って閑職だが、俺はこの『浮遊層』たちが大好きなんだ。

 

俺が守り神として使える魔法は、二つだけ。

 

人のお腹を瞬時に空かせることと、二日酔いを防ぐことだ。

 

なんの役に立つのかって?

 

いやいや、これがどうして、なかなか役に立つものなのさ。

 

おや? 今宵も、愛すべき浮遊層が一人……。

 

 

このシリーズの過去記事↓

 

 

俺は熊本洋一、47歳。

 

いくつかのネットワークビジネスで上位会員になっている、

 

言わば成功者だ。ネットワークビジネスって知ってるかい?

 

 

あ、知らない。

 

これは流通革命の話なんだけど……って、ここで別に勧誘みたいな話をしなくたっていいよな。

 

正直に言おう。俺の目から見た、ネットワークビジネスってやつを。

 

どんなネットワークビジネスも基本は同じだ。

 

主に口コミによって、自分の下に「販売員」を増やしていき、ピラミッド型の販売組織を形成しながら、商品を販売していく。

 

そして自分よりピラミッドの下に位置する販売員の売り上げの一部が、上位である自分にバックされるようになっているんだ。

 

 

ここまでは理解してくれたかい?

 

まぁ、洗剤から化粧品から旅行まで、いろんな商品がネットワークビジネスの対象になるわけなんだが、何を扱うかがネットワークビジネスの肝じゃないことは、正直、誰でも知ってる。

 

誰が扱うか。

 

それが一番のポイントなんだよ。

 

 

売ってるものが鍋だろうが補正下着だろうが、そんなものはなんだって構わない。

 

問題は、誰が誘うかなんだよ。

 

しょぼくれた奴が、いくら「すごくいい物なんだよ、一緒に売ろうよ」と言って勧誘したところで、そんな怪しげなビジネスに手を出そうとは思わないだろう。

 

 

でもそれが、成功していて、お金持ちで、時間に余裕があって、人間的にもなんだかすごそうな空気を醸し出してる人だったら……?

 

思わず、あの人みたいになりたい! と、思ってしまうような人だったら……?

 

 

そういうことなんだ。

 

ネットワークビジネスで成功するためには、まず成功者じゃなきゃいけない。

 

豪華なホームパーティー、クルージング、そして……シンガポール。

 

 

ここ数年は、「シンガポールにも家がある」とか「1年の半分はシンガポールで過ごしてる」とか、そういうのがいわゆる“ネットワークビジネス成功者”としてかなり強力なアピールポイントになってきてるんだよ。

 

だから俺も、苦しい家計の中で一応、そのトレンドに乗ってみたんだが……。

 

 

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