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【Ep. 24】「複数でするのとか、ご興味ありません?」と穂花は言った

※この物語はフィクションです

いつも違う美女と肩を並べているところを、よく目撃されるこの男性。

彼は佐野隆(さのたかし)41歳、日系ITコンサル会社のシンガポール現地法人社長だ。

いわゆる「マネージングダイレクター」と呼ばれる立場だが、実情は常に本社に気を使う中間管理職である。

本社との軋轢や、単身赴任の寂しさが醸し出す、独特の憂いと色気。

それが絶妙に美女の心をくすぐっているようだが……

彼自身は、どうやら全くそれに無自覚なようで。

このシリーズの過去記事↓

「もしもし佐野さん? お久しぶりですー!」

「あ、おひさし……ぶりです……すみません、番号が登録されていないようなんですが、申し訳ありませんがどちら様でしたか」

「やだぁ。私、穂花です!」

ぜんっぜん、思い出せない。

俺は穂花と名乗るこの電話の主のことが、全く思い出せず困惑していた。

しかし相手はよく俺のことを憶えているようで、矢継ぎ早にこんなことを言ってくる。

「ずいぶんご無沙汰しちゃってごめんなさい。実は最近またシンガポールに住み始めたんです。以前、ワインバーによく通ってるっておっしゃってたでしょう? いい感じのワインの店なんですけど、13%ガストロワインってとこ、ご存知ですか?」

「いや、知らないです……」

「えー! じゃあ、カンポングラムの方の店舗の住所、SMSしておきますね」

「はい、ありがとうございます……」

「じゃあ今日にします? それとも明日?」

「あ、あ、明日はもう予定が入ってまして……」

「じゃあ今日ですね。7時ごろから飲んでますから! 久々にキャッチアップしましょ!」

あまりの勢いに押されて、何一つ思い出せないくせに、今夜会う約束をしてしまった。

きっとこれだけ俺のことを知っているのだから、会ったことはあるのだろう。

しかし一体、穂花さんなんて、どこで会ったのだろうか。まあ、顔を見ればわかるに違いない、と楽観的に捉えていたのだが……

顔を見ても、全然、まっっったく思い出せない!

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