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【Ep. 23】「たまらないんです……年上の男性に、甘えられるの」と佐江は言った

※この物語はフィクションです

いつも違う美女と肩を並べているところを、よく目撃されるこの男性。

彼は佐野隆(さのたかし)41歳、日系ITコンサル会社のシンガポール現地法人社長だ。

いわゆる「マネージングダイレクター」と呼ばれる立場だが、実情は常に本社に気を使う中間管理職である。

本社との軋轢や、単身赴任の寂しさが醸し出す、独特の憂いと色気。

それが絶妙に美女の心をくすぐっているようだが……

彼自身は、どうやら全くそれに無自覚なようで。

このシリーズの過去記事↓

先日、ラッフルズホテルで、部下が結婚式を挙げた。

美しいガーデンウェディングはまるでドラマのワンシーンのようで、若い二人が誓いの言葉を口にする時など、感動して思わず胸が熱くなってしまった。

歳を取ると涙もろくなるというのは、本当なのかもしれない。

すると、隣に座っていた20代くらいの女性が、何も言わずにハンカチを差し出してくれたのだ。

親族でもない俺が感激して涙ぐんでしまったところを、若い女性に見られていたとは、なんとも恥ずかしい。

しかし、その心遣いはとても嬉しい。

顔を真っ赤にしながら、ありがたくハンカチを使わせていただくと、シャボン玉の良い匂いがした。

しかし……。

「本当にすみません! せっかくお貸しいただいたハンカチを、ネコババしてしまうだなんて」

「うふふ、そんな。お返しいただくんだもの、ネコババなんかじゃありませんよ」

ふっくらとした餅のような頰にエクボを浮かばせながら、その女性……柿崎佐江さんはそう言った。

しっとりと吸い付くような肌に、柔らかそうな体型。

愛嬌のある童顔とも合わさって、なんとも男好きのする雰囲気の女性だ。

「お恥ずかしいところを見られた上に、わざわざご足労いただくことになって、もう穴があったら入りたいです」

「いえいえ、せっかくだからどこかでお会いできませんかとお誘いしたのは、私の方ですから」

あれから新郎にことのあらましを伝え、隣に座っていた女性にハンカチを返したい旨を伝言してもらうと、すぐさま彼女から直接連絡が来た。

お勤め先かご自宅までお持ちしますと申し出たのだが、彼女はどこかで待ち合わせての引き渡しを提案してきた。

その時はきっと、どこの馬の骨とも知らない俺に、個人情報を教えたくないのだろうと合点したのだが……いざ二人きりで顔を合わせてみると、なんだか妙な気を起こしてしまいそうで怖い。

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