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【Ep. 2】「板挟みになるって、幸せなことかもしれないですよ」とリカは言った

※この物語はフィクションです

 

いつも違う美女と肩を並べているところを、よく目撃されるこの男性。

 

彼は佐野隆(さのたかし)41歳、日系ITコンサル会社のシンガポール現地法人社長だ。

 

いわゆる「マネージングダイレクター」と呼ばれる立場だが、実情は常に本社に気を使う中間管理職である。

 

本社との軋轢や、単身赴任の寂しさが醸し出す、独特の憂いと色気。

 

それが絶妙に美女の心をくすぐっているようだが……

 

彼自身は、どうやら全くそれに無自覚なようで。

 
 

 

このシリーズの過去記事↓

 

 

 

 

リカは34歳になったそうだ。あれから10年も経ってしまったことに、驚きを隠せない。

 

下腹部が気になってきた俺と違って、彼女はいつまでも若々しいままだった。

 

むしろあの頃より圧倒的に、美しさに磨きがかかっている。

 

 

 

10年前。今は高校生の娘が、まだ小学校に上がったばかりの頃だ。

 

若いうちに結婚した俺は、恋の仕方も、遊び方も、まだまだ青いうちに「おとうさん」になってしまっていた。

 

同い年の友人はまだまだやんちゃをしている頃なのに、俺には小学生の娘がいる。

 

独身の友人が少し羨ましかったあの頃、部下として移動してきたのがリカだった。

 

 

 

31歳の俺と、24歳のリカ。

 

若かった俺たちは、いつも一番遅くまで会社に残って残業をしていた。

 

そのうちに、夜10時半頃になると切り上げて、二人で近所にある深夜営業の中華料理屋に寄って帰るのが習慣になっていった。

 

艶々のボブヘアを顎のあたりで切りそろえた彼女は、パンツスーツがよく似合うボーイッシュな美人だったが、女性として意識したことはなかった。いや、意識しないようにしていた。

 

けれど彼女が珍しくスカートを履いてきた日、俺たちは一度だけホテルに行った。

 

 

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