精悍なビジネスマン、貞淑そうな駐在員妻、悠々自適なリタイア勢、タフでクールな現地採用組……。
シンガポールには様々な日本人が暮らしているが、ふと疑問に思ったことはないだろうか。
「この人は一体、どんな恋をしてきたのだろうか?」
通り一遍の挨拶や、当たり障りのない人付き合いからは、決して浮かび上がることのない歴史。
しかし、だからこそ知りたい、根掘り葉掘り聞いてみたいのだ。
これはそんな野次馬な好奇心を満たす、匿名インタビューシリーズである。
ナイトライフシンガポールの名物ライター「駐妻ふみえ」が、時に優しく、時に大胆に、在星日本人たちの恋模様を炙り出す!
このシリーズの前回記事↓
こんにちは。駐妻ふみえです。
シンガポール在住の日本人の皆様に、内緒でこっそりご自身の恋愛遍歴をお伺いしてゆこうというこのインタビューシリーズ。
今回ご登場いただくのは、ふみえのご近所に住み、共通点も多いことから、自然と長いお付き合いになったEさん。
幼少期から長らくバレエを続けている彼女は、均整のとれた美しい姿と、ナチュナルで愛らしい笑顔がとびきり輝く女性です。
ところが、「幼いころから、結婚願望は人一倍あってね……」と単独行動を好む、自立した彼女の口からは意外な語り出し。
仕事、子育て、家事、趣味と多方面で活躍する彼女を、もちろん恋も、捕まえて離さないに違いありません……。
【今回の恋愛遍歴の語り手】
性別:女性
職業:ウェブディレクター
年齢:30代後半
シンガポール歴:10年
「恋の話なんて、すっごく久々!
結婚すると、それ以前の恋愛話って、どうしてしないようになるんだろう?
女子トークのテッパンなのにね(笑)
うん、でも、恋って、ただ楽しいだけの話じゃ終われないから……。
なんだかあの頃を思い出して、切なくて、ギュッと胸を掴まれるような気持ちまで思い出しちゃった。
私は、初恋でいきなり二股してしまったのよね。(笑)
小学2年生の時の同級生で、仲の良かった2人の男の子、どちらとも好きで、少女漫画のような恋に憧れていたの。
実際、片方の子に告白してもらったのに、現実的になると両想いどころか、引いちゃった。
初めて付き合った男の子は、中学で一緒に体育祭の応援団をしていた後輩だった。
「一目惚れでした。付き合って下さい!」って、呼び出された校舎裏で、告白されて。
キュンとしちゃう? ザ・青春だよねぇ。(笑)
私は本命の先輩にフラれた直後の傷心だったので、勢いに押されて、ついついOK。
3か月付き合って、彼の放ったある一言で、あっけなく交際は終了したんだ。
だって……「手、繋いでいいですか?」なんて、聞くんだもん。
ううん、嫌なんじゃなくて……聞かないで行動して欲しかったの。
そんな乙女心を、彼は理解できなかっただろうなって、今の私なら分かるんだけれど。
その後の小さなお付き合いは、彼のわざと妬かせるような振る舞いと、周りの女の子からの当てつけの連絡に疲れて、すぐに終了。
血気盛んな時期だったんだね、男女ともに。
そして、高校へ上がって初めての恋、それは……駅のホームで、5分間限定の恋だった……。