海外での「子育て」には、普通以上の不安やストレスが伴うもの。
生活格差、言葉の壁、教育文化の違い、ママ友とのお付き合い、
ここシンガポールの日本人社会では日々、子育
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「ミカさん、こんにちは」早紀さんはそう言って、ニコッと微笑むとぺこり、と頭を下げて登場しました。
サラリときれいなストレートヘアが揺れ、小さな可愛らしい花のような香りが漂います。
縦型の抱っこ紐を下ろし、赤ちゃんをベビーカーに乗せて自身も腰を下ろし、ふうと一息。
mica 以下M) 早紀さん、こんにちは。赤ちゃん、かわいいですね。今、何ヶ月ですか?
「今、6ヶ月になったばかりです。ありがとうございます」
M) えっと、夫さんが先にこちらへ来ていて、早紀さんは、最近いらっしゃったんですよね。赤ちゃんと2人で、飛行機は大丈夫でしたか?
「先輩ママから、新生児の頃の方が移動しやすいと聞いていて。おっぱいで泣き止むので、本当に楽でした!」
M) それはよかった~。夫さんも、こんなに可愛い妻と子がシンガポール生活に合流してくれて、きっとはりきってお仕事されているんでしょうね!
「(表情が少し曇って)・・・それは、どうでしょう。
主人は、自由気ままな1人暮らしが心地よかったのかも?笑 出張も多いし、私も赤ちゃんと2人きりで、まだママ友もあまりいないし。
私、どうしてここにいるのかなー、と思うこともありますよ。アハハ」
ーーん?早紀さん、笑っていますが、どうやら何か心に秘めているものがあるようです。
M) 男性って、妻が家で気楽に過ごせているって誤解する人、多いんですよね。
でも赤ちゃんと2人は、そんなイメージとはうって変わって、孤独そのものだと思いますよ。
私も1人目を産んだ時はアメリカで、英語も今より出来なかったし、ほとんどノイローゼ気味で、夫によくケンカを売っていましたよ。
「ミカさんもですか!?・・・そうなんです、なんか、そんなことしたくないのに、口論になってしまうことが多くて・・・。
夫は自分のほうが大変だ、っていうことばかり主張してくるんです。赤ちゃんと2人だけの大変さを、分かってくれなくて・・・」
早紀さんのパッチリとした瞳から、ぽろりと涙がこぼれました。