海外での「子育て」には、普通以上の不安やストレスが伴うもの。
生活格差、言葉の壁、教育文化の違い、ママ友とのお付き合い、
ここシンガポールの日本人社会では日々、子育
このシリーズの過去記事↓
M) こんにちは、卓郎さん!・・・卓郎さん?もしもーし?
(ハッとして振り返り)「あ、み・・・ミカさん!びっくりした・・・。ボーっとしていて、ごめんなさい!」
ーー横から声をかけても上の空だった卓郎さん。
ポロ・ラルフローレンの紺色のポロシャツにベージュの短パンで、日本人会の図書室前に座っていました。
卓郎さんとは共通の友人を通じての知り合いで、このようにひょんなところでよく会うのです。
M) 偶然ですね~。ご家族といらっしゃったんですか?
「ああ、いや、妻は休日出勤で・・・息子と間が持たなくて、ここに来たんです。
ほら、あそこの遊ぶスペースで、メイドと遊んでるのが、息子です」
M) ああ、本当ですね。元気そうに遊んでいますね〜!今2歳?くらいですか?
「そうです。来月で2歳ですね」
M) 可愛いときですねえ。
「可愛い・・・ですよね。観察していると、面白い動物みたいです。ははは」
M) 分かります。
しかし間が持たないからとかいいながら、結局メイドさんが遊んでるんですか?
あはは。気持ちだけは、一緒に遊ぶつもりでいたのに、みたいな感じですかね。
「うっ・・・ミカさん、鋭いなあ。そうなんですよ。
休みだしね、よっしゃ、いっちょ一緒に遊ぶか!
と意気込んできたものの、外は暑いしで、涼しいここに流れてきました。
それでも結局、メイドと遊んでいるという・・・。(笑) 慣れてますからねえ。
妻も仕事で忙しいし。メイドが育てているようなものですから」
M) とってもいいメイドさんなんですねえ。
卓郎さん、そんな風に信頼して我が子を預けることが出来るメイドさんと出会えたの、すごいラッキーですよ~。
「ええ、そう思います。でもねえ・・・色々気になっちゃって、もろ手を挙げて喜べないというか・・・」
ーー卓郎さん、歯切れが悪くなりました。何か心配事があるのでしょうか?
「メイドはフィリピン人なので、タガログ語で息子に話しかけてもらっているんです。
私もシンガポールでPRを取りましたし、夫婦で話し合って、多言語の環境で育てようとは思っていました。
でも最近、日本語よりも、タガログ語のほうに反応することが気になり始めて・・・」