海外での「子育て」には、普通以上の不安やストレスが伴うもの。
生活格差、言葉の壁、教育文化の違い、ママ友とのお付き合い、
ここシンガポールの日本人社会では日々、子育
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「とにかく、やっとコンドに引っ越せたのが、嬉しくて!」
ーー沙織さん(31歳、2歳前の息子1人の母)は、にこやかに語りだした。
明るい花柄のワンピースが良く似合っている。小柄で丸顔の、かわいらしい印象の女性だ。
「夫は現地採用で、しばらくは単身赴任でした。
こちらに来ることを決めたちょうど同じタイミングで妊娠が発覚したので……日本で出産することを選びました」
ーーなんと、一人目男の子で、出産後すぐ単身赴任とは……!
初めての育児、しかも男の子ということで、不満や不安が、山盛りだったのではないでしょうか……。
「一緒に暮らし始めるまでは、ちょこちょこ、旅行で息子とシンガポールを訪ねました。
でも、夫とケンカが多くて。私が甘えすぎているのですけど……」
と、苦笑する沙織さん。
mica 以下M)一緒に暮らせるようになるまで、ずっとワンオペ育児をされてきたんですものね。
色々、思うこと、聞いて欲しいことがありますよね。
「そうなんです!……夫は、大らかな人なんですけど、私はわりにキッチリとやりたい方で。息子へのしつけなんかのやり方で、衝突することが多くて……」と、涙ぐむ。
「……でも、きっとそれは、表面上のことなのかな、とも思うんです。
周りの、駐在でシンガポールに来ているママ友たちと比べると、やはり、なんというか、うちは余裕が無いし……。
駐在さんは、高級コンドの家賃、子どもの学費、医療費、全てカバーされますよね。
うちはやっと一緒に住めたけど、最初はHDB暮らしで」
ーー 確かに、経済的な苦しさから来る衝突である可能性も、あるかもしれませんね……。
あらゆる手当が出る駐在員と違って、現地採用の方は決められた予算内でやりくりするストレスがありますね。
そうした経済格差への不満と不安。
シンガポールの生活費は、横ばいなら御の字、右肩上がりがフツウのことですから……。