海外での「子育て」には、普通以上の不安やストレスが伴うもの。
生活格差、言葉の壁、教育文化の違い、ママ友とのお付き合い、
ここシンガポールの日本人社会では日々、子育
このシリーズの過去記事↓
M) めぐみさん、お久しぶりです!
きっと今、送別会とお引越しの準備で目が回るほど、忙しいんじゃないですか〜?
本帰国の日は、もう確定しました?
ーーテーブルを挟んだ向こう側に座るめぐみさんはスイカジュースを手に持ったまま、私の質問にちょっと困ったような顔をしました。
白いノースリーブの襟付きシャツに、ピンクのロングスカート……フェミニンなファッションと、カジュアルなショートボブのギャップが魅力的な彼女は、遠目から見ても目立つほど魅力的。
でも、そんなことより彼女、心配事があるようです。
「それがですねえ、ミカさん・・・実は、帰国しないことになりそうなんですよ」
フゥっとため息をついて、ストローでひとくち。
おもむろにジュースに口をつけた後、意を決したようにまっすぐ向き直って口を開いた彼女の言葉に、私は驚きました。
M) ええ!? そうなんですか?
ーーびっくりしすぎて思わず手元のコピがこぼれそうに。
少し前に話した時には確かここ数ヶ月のうちに本帰国という話だったのですが、どういうことなのでしょうか?
「まだ完全に決定というわけじゃなくて、微妙な段階なのですけどね・・・。
まだ数人にしか本帰国は伝えていなかったので、よかったんですが・・・。
お伝えしていた方には、こうして会って本帰国がなしになりそうだって報告しているわけなんですよ。
あ、もちろんミカさんに話を聞いてもらいたかったというのもありますが・・・」
M) そ、そうなのですね・・・。会社の辞令が、ひっくり返ったのですか?
「うーん・・・ミカさんだから言っちゃいますけど、会社の辞令はそのままなんです」
ーー会社からは本帰国の辞令が出ている。
でも、本帰国はしない・・・一体どういうことなのでしょうか?
「まだ、ここだけの話にしてくださいね。
夫が、シンガポールで起業するって言うんですよ・・・
しかもね、それ、もうかなり進んでる話で、間違いなく実現しそうなんです」
M) ええ!そういうことですか・・・! なるほど・・・夫さん、すごいですねえ!
「でもこういうことって、事前に、結婚相手である妻に承諾を取りませんか?
事後承諾みたいで、わたし、憤慨しちゃって・・・今、夫婦仲が険悪なんです」