海外での「子育て」には、普通以上の不安やストレスが伴うもの。
生活格差、言葉の壁、教育文化の違い、ママ友とのお付き合い、
ここシンガポールの日本人社会では日々、子育
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ーー遠くからぶんぶんと手を振る和歌子さんのところに、急ぎ足で向かいます。
ここはラッフルズ・シティのP.S Cafe。
和歌子さん、グレーの落ち着いたロングワンピース姿で大人っぽい装いなのに、弾けるような若さが可愛らしい女性です。
M) 和歌子さん、こんにちは!今日はお誘いありがとう。話したいことがあるって、何かあったんですか?
「いやー、あったあった、ありました!
ミカさんの、ナイトライフシンガポール連載のネタになりそうなことですよ!」
M) あら、ネタ提供ありがとう!(笑)
ーー運ばれたコーヒーをお互い一口すすり、一息。そのあと、和歌子さんは口を開きます。
「ミカさん、うちの息子の担任の先生ね、どうやら、“ハズレ”だったみたいなんです」
M) あらまあ。和歌子さんのところの息子くん・・・たしか、ローカル校ではなくて、日本人学校の1年生でしたよね?
「そうですよー。
うち、現地採用組だから、日本人会に自費で入らないといけなくて。だから最初は入学金と合わせて、すごい出費だったんです。
4月はもう泣きそうでしたよ!」
ーーシンガポールの日本人学校は、日本人会入会が入学の条件のひとつです。
日本からの駐在で来星する家庭は、会社の福利厚生として日本人会に最初から入会できる人がほとんどですが、現地採用組はそうはいきません。
安くない入会金を払って、入会する必要があります。小学校の入学金と合わせて、入学前はどーんと大きな出費があるということです。
M) ハズレ先生って・・・どうしてそう思ったんですか?
「だってね、ちょっと陰湿なんですよ、やり方が。
まあ、ウチの息子もかなりやんちゃで、たぶん迷惑をかけているんですけどね。
そのね、怒り方が、なんというか・・・」
「ひとりだけ廊下に立たせたり・・・するのはまあ、いい方ですけど。
ん?それはやりすぎではないか?っと思ったことがあって」
「同じクラスのね、女の子のお母さんから聞いた話なんですけど。
先生が息子に、「ごめんなさい」を言うことを、けっこうしつこく強要したりしているんですって。“10回言いなさい”とか」
M) 「ごめんなさい」を10回言わせるんですか?!それはまた・・・なんと言うか、激しいですね・・・
「“先生の言うことを聞かないとちがう学校へ行ってもらう”とか、ちょっと脅しのようなことを言ったりもするんですって。
うちの息子って、まあそんなに出来は良くないですけど、元気なのがとりえだったのに、なんだか最近、元気がなくて。時々、“お腹いたいから学校に行きたくない”って言うこともあるし。
それでわたしも、モヤモヤしちゃって~」