海外での「子育て」には、普通以上の不安やストレスが伴うもの。
生活格差、言葉の壁、教育文化の違い、ママ友とのお付き合い、
ここシンガポールの日本人社会では日々、子育
このシリーズの過去記事↓
「ちょっと、ミカさん!」
ーーワッツアップに十数件の未読メッセージが溜まっていることに気付いたのは、いつもの起床時間、5時半のことでした。
寝ている間に届いていた膨大な量のそれらは 、シンガポールのローカル学校にお子様を通わせている、とあるお母様からのものでした。
「聞いてください!またうちの息子が利用しているスクールバスでトラブルがあったんですよ〜!」
ーーおやおや、前回は日本人学校のスクールバスでの話でしたが、今回はローカル小学校のスクールバスでトラブルがあったようです。
こちらもよくある話。子育てアドバイザーである私の元には、各方面から、このような話が舞い込んできます。
「バス会社からワッツアップにメッセージが着たんです。
うちの息子が、同じバスで通学している他の子を“いじめた”という内容だったのでびっくりしてしまって……。
で、相手のお母さんが学校の報告するつもりらしいんです!
ーー“いじめた”、とは穏やかではありません。
確か、このお母様の息子さんは、小学校1年生だったはずです。
息子さんがしたことは、“いじめる”という言葉がふさわしいほど、そして学校に報告しなければならないほど、一方的で、理由も無く相手に害を加えるような行為だった、ということでしょうか?
「スクールバス会社の担当者曰く、息子が、同じバスに乗っている4年生の女の子を、叩いた、と。
なんでも、女の子は何もしていないのに、息子が突然叩いたって言うんですよ」
「ミカさん、わたしね、自分の子どもがよそのお子さんを叩いたっていう経験を、初めてしたんです。
少なくとも・・・私が知っている範囲では今まで一度もそんなことは起きていません。
わたし、頭にカーッと血が上ってしまって・・・そのメッセージを見て、すぐさま息子を叱り飛ばしてしまいそうでした」
ーーお気持ち、お察しします。
我が子が“やられる側”になるのも、心が痛むものですが、逆に“やる側”になったとき、親は本当に無力です。
お相手側に申し訳ないし、我が子には腹が立つし・・・どうしようか、と途方にくれてしまうものです。
しかしもちろん親に出来ることはちゃんとあるのですが・・・