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【Ep.6-3】アドベンチャーコーブ妄想ショートストーリー後編(3/3)

 

 

「そんなことよりのぞみ、早く流れるプールに行きたい!」

 

 

 

このアドベンチャーパークをぐるりと巡るレイジーリバー(流れるプール)は、なんと620mもの長さを誇る。

一周するのに、ゆうに20分はかかるのではないだろうか。

 

 

 

さっそく浮き輪を掴み、水上の冒険旅行へ。

すると想像以上の演出の数々に、度肝を抜かれてしまった。

 

 

 

要所要所で滝のように頭上から降り注ぐ水を、きゃあきゃあと避けながら進んでいく。

時には暗い洞窟の中を。

そして、時には魚でいっぱいの水槽の内部を。

こんなの初めて!

 

 

 

 

 

「やだっ! コントロールがうまくできなーい! なんでのぞみだけ離れていっちゃうの? マコトさん、香菜子さん、待って〜〜〜〜〜〜」

 

 

 

流れにうまく乗れなかったらしいのぞみは、一人だけ遅れを取り、いつの間にかその姿が見えなくなった。

私はこれ幸いにと、マコトさんの浮き輪に横付けし、二人だけの優雅な時間を堪能する。

 

 

 

「マコトさん、結構濡れましたか?」

 

「大丈夫です、香菜子さんは?」

 

「私も意外とこういうの得意なんで、ほとんど水の直撃は受けてないです」

 

「この辺りの流れは緩やかですね」

 

「そうですね。ちょうど薄曇りで、日差しが気持ちいい」

 

「ほんとだ……」

 

 

 

サングラスの向こう側で目を細めているらしきマコトさんが、愛おしかった。

なんだか今日はすごく妙な組み合わせでここに来るハメになったけれど、そのお陰で逆に、このほんのわずかな二人きりの時間が宝物のように思える。

 

 

 

マコトさん、離婚したばかりだけれど、しばらくもう次の恋はしたくないのかな。

でも私、ずっと、マコトさんのことを見つめてきたから。

まだまだ何年でも待てる。

いつかマコトさんの心の傷が癒えて、恋がしたいと思った時、一番近くにいるのが私だったらいいな……。

 

 

 

そんなことを考えていると、マコトさんがいきなり、私に水をかけてきた。

 

 

 

「マ、マコトさん! やめてくださいよぉ」

 

「今、油断してたでしょう、香菜子さん」

 

「ちょ、油断って(笑) やりましたね……倍返しです!」

 

 

 

マコトさんの浮き輪に体重をかけ、思い切りひっくり返す。

私たちは同時に水の中に放り出されて、頭からずぶ濡れになった。

 

 

 

ああ、私たちきっと今、17歳の顔をして笑っている。

 

 

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