常夏のコスモポリタン・シティ、シンガポール。
恋が似合うこの街には、珠玉のラブストーリーの舞台としてふさわしい、数々のデートスポットが存在する。
しかし嘆くべきは昨今の「恋愛離れ」。
多くのシンガポール在住日本人が、恋やデートそのものに対する消極的な“めんどくささ”を持て余している。
そこでナイトライフシンガポール編集部は、この街にはびこる「デートめんどくさい症候群」を駆逐すべく立ち上がった!
(なるべくしがらみの少ない)男性読者を問答無用でおすすめデートスポットに連れ出し、在住者を代表して評価してもらうのがこの企画。
さらにはその評価と当日の写真を元に、あなたの恋心を刺激するショートストーリーを作成することとした。
リアルと妄想が交錯する半フィクションが、眠っていたデート欲を揺り起こす?!
ユウと私が一緒に暮らし始めて、もう2年になる。
先の見えない同棲生活、ましてやシンガポールで過ごす2年は……長い。
私のEPだって、いつまで更新できるかわからないのに。
最近のユウは特にお疲れで、家に帰ってきても同じベッドで眠るだけ。
出張に接待にゴルフにと、ぎゅうぎゅうに予定を詰め込んでいる姿は、まるで私を避けているかのようにさえ思えた。
けれど、私は知っている。
ユウは毎晩、どんなに遅く帰ってきても、寝たふりをしている私の首元に、必ずキスをしてから眠るのだ。
その穏やかな愛情表現に励まされて、すれ違いの日々を乗り越えてきた。
でも……