16/09/2019
常夏のコスモポリタン・シティ、シンガポール。
恋が似合うこの街には、珠玉のラブストーリーの舞台としてふさわしい、数々のデートスポットが存在する。
しかし嘆くべきは昨今の「恋愛離れ」。
多くのシンガポール在住日本人が、恋やデートそのものに対する消極的な“めんどくささ”を持て余している。
そこでナイトライフシンガポール編集部は、この街にはびこる「デートめんどくさい症候群」を駆逐すべく立ち上がった!
(なるべくしがらみの少ない)男性読者を問答無用でおすすめデートスポットに連れ出し、在住者を代表して評価してもらうのがこの企画。
さらにはその評価と当日の写真を元に、あなたの恋心を刺激するショートストーリーを作成することとした。
リアルと妄想が交錯する半フィクションが、眠っていたデート欲を揺り起こす?!
この日のメインブリッジは、いつもより心なしか騒がしかった。気づくと皆が同じ方向を眺め、何やらヒソヒソと呟いている。
思わず立ち止まり同じ方向を覗き込んだ私たちに、バードウォッチャーの一人が声をかけてきた。
「お二人さん、あっちをご覧。あそこにアイツがいるよ」
「アイツって?」
「アイツって言ったら、アイツに決まってるじゃないか」
釈然としないまま、指を刺された方向に目を凝らすと……いた。アイツが、いた。